プレミアムフライデーで感じたワークライフバランス社会までの長い道のり
みなさんが忘れていると思うので、思い出させてあげましょう。
実は、「プレミアムフライデー」が実施され始めてすでに一年が経過しています。
なんならプレミアムフライデーという言葉すらすっかり頭から消してしまった人も多いのではないでしょうか。
それだけ浸透してないような気がしているのですが、前のブログでプレミアムフライデーについての記事を書いていたので、その記事をはてなに持ってきたついでにその後のプレミアムフライデーについても書いておこうかと思います。
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- この記事は 旧ブログで2017年5月15日に書いた記事を元に作成した記事になります
プレミアムフライデーで感じたワークライフバランス社会までの長い道のり
休日に平日たまった仕事の疲れとって、平日はそんな素敵な休日を夢見て仕事を頑張る、のような関係って休日と平日にはあると思いますが、そのバランスって結構大事ですよね。
休まずに仕事ばかりしていると体を壊しますし、休みすぎると賃金にはつながりません。
というわけで今回は「ワークライフバランス」と「プレミアムフライデー」について説明しながら、働き方や生き方についてちょっと考えてみたいと思います。
ワークライフバランスとは
ワークライフバランスという言葉をご存知でしょうか。
ワーク・ライフ・バランス(英: work–life balance)とは、「仕事と生活の調和」と訳され、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる」ことを指す。
つまり『"仕事"と"仕事以外の生活"との調和をとり、その両方を充実させる生き方』です。
上の説明では一つの文になっていますが、目指すべきワークライフバランスが実現された社会を政府は以下の3つだと定義しています。
1. 就労による経済的自立が可能な社会
経済的自立を必要とする者とりわけ若者がいきいきと働くことができ、かつ、経済的に自立可能な働き方ができ、結婚や子育てに関する希望の実現などに向けて、暮らしの経済的基盤が確保できる。
2. 健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
働く人々の健康が保持され、家族・友人などとの充実した時間、自己啓発や地域活動への参加のための時間などを持てる豊かな生活ができる。
プレミアムフライデーとは
さて、今度はプレミアムフライデーについてまとめておきましょう。
プレミアムフライデーは、2017年(平成29年)に日本国政府と経済界が提唱した個人消費喚起キャンペーンである。略称はプレ金[1][2][3]。プレミアムフライデーにセールやキャンペーンを実施している企業のうち、来店者増加は約7割で売り上げ増加は5割越えであり、イベントとして当初の目的である消費の拡大には貢献している[4]。
消費税が8%になったころから低迷している個人消費、これをなんとか改善するために打ち出された施策がこのプレミアムフライデーで、給料支給後で財布の紐が緩くなっている花の金曜日(花金)と呼ばれる月末の金曜日に設定したことがこの名前の由来になります。
プレミアムフライデーでは、ホテル、コンビニ、商店街、遊園地、飲食店など、お得なキャンペーンを各企業で行うことで個人消費を促しています。
プレミアムフライデーとワークライフバランスの関係
以上の説明より、プレミアムフライデーがワークライフバランスの考え方に基づいているということはなんとなくわかっていただけたかと思います。
ワークライフバランスの説明の中でいうならば、
2. 健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
これの社会を提供するために国全体が取り組んだ働き方改革がプレミアムフライデーとなる、ということです。
同時に、プレミアムフライデーによって出来上がる"2.5日の休暇の楽しみ方"もプレミアムフライデーの公式ホームページで提案もしており、「仕事と生活の調和」を促しているのがわかります。
- ちょっと長めの休日で普段は行けない「2.5日旅」へ。
- 平日昼間にゆったり贅沢「午後ブラショッピング」。
- 友達みんなで集まってゆっくり「夕飲み」。
- 昼からたっぷり「アフター3エンタメ」を楽しもう。
by プレミアムフライデー(Premium Friday) 月末金曜、何しよう?
(まるで意識高い系の大学生のような生活)
国は働き方改革の取組みを提案したので、あとは各企業や従業員がそれを意識し、実践すればいいということなのですが、
みなさんも実感していただいているように、それが一番難しかったね、というのがプレミアムフライデーの現実。
ワークライフバランス社会までの長い道のり
仕事と仕事以外を調和させ充実させる生き方が大事なのはよくわかります。
また、プレミアムフライデーでその調和をしようとしている努力もよくわかります。
ですが、それをすぐ実施できる企業はほんの一握りで、実際の2月初回のアンケートでも全体の4%ほどの人しかプレミアムフライデーが提案する「15時帰り」ができていない様子。
きっぱり仕事を切り上げるのが難しいどころか、月末締めなどの関係で普段より残業しがちなプレミアムフライデーに、実施できる企業とできない企業とで格差が広がるばかり。
他にもプレミアムフライデーの問題点は多くあって、
- お店側からすれば休日と同じようにプレミアムフライデーのシフトの人数増加を検討しなければいけない
- そもそも仕事切り上げたらその分の賃金が出ないわけだから消費量も減るのでは?
などなど、国が掲げたワークライフバランス社会で働けるようになるのはまだまだ先が長そうです。
ただ、「一応今日はプレミアムフライデーだから」と少しでも早く帰ろうと効率上げて仕事をする風潮、これはとてもいいと思いますので、直接な恩恵は受けられないにせよ、少しずつプレミアムフライデーの効果が定着してくれることを望みます。
プレミアムフライデーのその後
さて、以上が去年に書いた記事になりますが、結局プレミアムフライデーという取り組みが各企業で実施できず、その取り組みそのものを忘れてしまい、
「一応今日はプレミアムフライデーだから」と少しでも早く帰ろうと効率上げて仕事をする風潮
この風潮すら"忘れてしまった"のが現状。
と、現場レベルではこう思っているのですが、公式HP等でみずほ総合研究所の振り返りが共有されていたので、ちょっと触れておきます。
- プレミアムフライデーの認知度は高いが早期退社率増加には繋がらず、個人消費押し上げ効果も期待を下回った
- 実施できている人の満足度は高い
ニュース等で大々的にとりあげられたので、認知度は高いですが、飲み会も被りやすいし、仕事もキリがいいところまでやりたいしでなかなか全社的に実施できなかった会社は多いのではないでしょうか。
大々的にとりあげられた割には経済効果は薄かったようです。
直接的なデメリットがないので、満足度が高いのは当たり前だと思います。
というわけで、やっぱりどこもそうか、といった印象で、今後もどういった取り組みがなされていくかは注目したいところですが、
細々と実施して自然消滅にならないようにだけ、なんとか頑張ってほしいなと思います。
また1年経ったらすっかり忘れているんでしょうか。