Vtuber動画の転転転載で知った"若者のニコニコ離れ"
子供達の将来の夢の一つにYouTuberが入り込んだことはみなさん記憶に新しいと思いますが、そこからもわかるように今の時代はもう「ニコニコ動画」より「YouTube」になってしまいました。
一昔前はみんなのコメントも一緒に見ることができるニコニコ動画の方が面白い、ということでYouTubeの動画がニコニコ動画に転載されていましたが、今ではニコニコ動画のコメント付きの動画がYouTubeに転載されていることの方が見かけることが多くなりました。
この、動画サイトから動画サイトへの転載に拍車をかけたのが両方の動画共有サイトで人気が出ているバーチャルユーチューバー、つまりVtuberの登場なのです。
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Vtuberとは
実在の人物が動画を撮影する一般的なYouTuberと異なり、実在しない2Dか3DのCGキャラクターが画面に立った動画を撮影し、例外はあるが生身の人間が声を当て配信しているのが最大の特徴。多くはモーションキャプチャやリップシンクなどの技術を使用して演者の動きをある程度キャラクターに反映している。
by バーチャルYouTuberとは (バーチャルユーチューバーとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
技術が発達し、モーションキャプチャが手軽にできるようになったので、そこまで高度な技術を使わずとも人間の動きをそのままCGキャラクターに反映することができるような時代になりました。
そのCGキャラクターを使ってYouTuberみたいなことをさせているのがバーチャルユーチューバーです。
最近ではバーチャルユーチューバーという言葉を短縮したVtuberという言葉が流行り始めました。
YouTuberは人気になればかなり稼げる職業ですから、魅力的に思う人もいるのかもしれませんが、顔バレや住所バレのリスクを考えると、ちょっと抵抗があるという人は多いと思います。
そういう部分をごまかせるので、知識さえあればバーチャルユーチューバーの方がハードルが低くなるのでしょう。
なので、このブームでより一層、
し、Vtuberの数は一気に加速することでしょう。
転載に転載を繰り返す
そもそもバーチャルユーチューバー自体は一昨年ぐらいから存在はしていましたが、去年12月頃から一気に注目を浴びるようになりました。
その影響で各Vtuberのチャンネル登録者数が急増し、ニコニコ動画では必ずランキングにVtuberのまとめ動画が載るようになりました。
ニコニコ動画の特徴は動画にコメントをつけることであり、一瞬一瞬のみんなのリアクションが見えるところがメリットなので、他の動画サイトの動画をニコニコ動画に持ってきたくなるのもわかります。
ですが最近は、ニコニコ動画でついたコメントもあわせて動画にするソフト等*1を用いて、そのコメント付き動画をYouTubeに転載する現象が起きているのです。
こうなってくるともはや転載なのかなんなのかよくわからなくなって来ますが、「転」がされている感じはすごいします。
YouTubeの動画がニコニコ動画に転載され、それにコメントもついた動画がYouTubeに転載される。
ここで思ったのです、もうニコニコ動画の時代は終わってしまったのではないかと。
「若者のニコニコ離れ」の理由
若者のニコニコ動画離れ[編集]
若者のニコニコ動画離れが起きている。特に10代においてはYouTube人気の状況になっておりニコ動を見ない理由についてダサいからと答えている[14]。また株式会社ジャストシステムの調査結果によると10代が現在利用しているSNSサービスについて「LINE」が88%と一番多く、2番目が「YouTube」で81%となっており「ニコニコ動画」においては「Google+」の27.0%にも負けており20.0%で8番目である。ライブ動画の視聴に関しては「LINE」で27.1%、2番目に「Facebook」が19.1%、3番目に「Instagram」で17.4%となっている[15]。
ニコニコ離れが起きている理由は以下の3つだと感じています。
1. ユーザーのニーズに応えられていない
「ダサいから」という理由で選ばれていないようですが、言い換えるなら新しい世代のニーズに応えられていなかったのでしょう。
実際、2013年の10月を最後に機能追加等をしていないようで、その間YouTubeは見た目も使いやすさも結構変えていますから、新しい世代がニコニコ動画に"古臭い"印象を抱いてしまうのもわかる気がします。
2. 一般会員とプレミアム会員のギャップ
YouTubeは広告収入がメインの収入源ですから、CMが気になりはすれども、それを我慢すれば高画質で視聴することができます。
ですが、ニコニコ動画は毎月540円を払うプレミアム会員にならなければ、再生に時間がかかったり、文字も読めないような低画質で動画を観ることになり、かなりのストレスが生じます。
10代であればなおさら、"月額"のような支払い方法には嫌悪感を抱くことでしょう。
3. 見放題サービス競争
ここ数年でAmazonプライム、Netflix、Huluなどの動画配信サービスが動画の見放題サービスを開始し始めたため、ニコニコ動画でアニメを観る必要がなくなりました。
もちろんそれらのサービスで提供される動画の方がよっぽど高画質・高音質で観ることができるので、アカウントを持っている人はそちらにシフトしてしまうでしょう。
まとめ
ニコニコ動画のプレミアム会員数は、
223万人 - 2014年3月
236万人 - 2014年9月
253万人 - 2015年9月
254万人 - 2015年12月
256万人 - 2016年3月
256万人 - 2016年6月
256万人 - 2016年9月
252万人 - 2016年12月
243万人 - 2017年3月
236万人 - 2017年6月
2016年9月をピークに減少してきています。
どうぶつタワーバトルの記事でも負のサイクルの話をしましたが、*2
というニコニコ動画のマイナスのサイクルと
- YouTubeのユーザー数が増える
- ニコニコ動画のコメント付き動画をYouTubeに転載する人も増える
- YouTubeだけ観てればオリジナルもコメ付きverも両方楽しめる
- YouTubeのユーザー数が増える
というYouTubeのプラスのサイクルに入り込んでしまっているので、このままだとニコニコ動画のプレミアム会員数はどんどん下落していくことでしょう。
そんなニコニコ動画は今年、2018年2月28日に「niconico(く)」がリリース予定とのこと。
くはクレッシェンドの意味。nicocasが復活。生放送にオープニング、エンディングが登場し、ボカロ、タイアップ、アンケートサイト、ニコ割ゲーム、休憩の機能、引用する機能、マルチカメラ、ニコニコ新市場、ニコニコバッジなどの機能が追加される。また、ニコる、Nsenの機能と似たような機能も復活するという。2017年4月に発表された。当初の定では同年10月に開始予定だったが、同年11月28日にの発表会でリリース日時を延期すると発表された。
新機能がいくつか追加されるようですが、このリリースで負のサイクルを抜け出せるのでしょうか。
*1:【参考】さきゅばす-ニコニコ動画コメント付き動画保存ソフト ja.osdn.net
*2:【参考】「どうぶつタワーバトル」が突然流行った3つの理由とバズり後の進み方 kininarium.hateblo.jp
*3:【参考】宮助 dic.nicovideo.jp