フルルに恋したグレープ君が最期まで人気だった理由
けものフレンズネタもこれで三度目になるのですが、
このアニメをこれほどネタにしたくなるのは、単にこのアニメが好きだから、というわけではなく、影響力が大きすぎてアニメというカテゴリの範囲を超えているところに魅力を感じるからです。
今回は、けものフレンズの人気と同時に有名になった東武動物公園のペンギン「グレープ君」が今年の10月、帰らぬペンギンになってしまったことを海外メディアが大きく取り上げたらしいのですが、どうしてそこまで影響が出たのか、その理由を考えてみました。
さて、まずは「けもの」の「け」の字も知らない方々に、「フルル」と「グレープ君」を説明するところから入る必要がありそうなので、そこから順を追って話していきましょう。
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- この記事は 旧ブログで2017年10月31日に書いた記事をリライトした記事になります
フルルとグレープ君の出会い
アニメの中で、ペンギンのアイドルグループのメンバーとして出てくるのがこのフンボルトペンギンであるフルル。
天然キャラで温厚で抜けているところがあるけど、いつもグループの空気を和ませているペンギンだ。
また、モチーフになっているフンボルトペンギンの説明を入れておくと、日本の動物園でよく見かける中型のペンギンで、実は日本の動物園で最も飼育数が多い。
というのも日本の気候が適しているのか、どうもフンボルトペンギンが繁殖しやすいらしい。
そんな日本ではよく見かけるフンボルトペンギンの檻にフルルのパネルが設置された。
以前、けものフレンズの影響で動物園が賑わっていることは以下の記事でちょっと触れたと思うが、東武動物公園がコラボ企画として行ったのがけものフレンズのキャラクターのパネル設置だった。
もちろん設置されたのはペンギンの檻だけではなく、それぞれの動物の檻にアニメのパネルが設置されたのだが、このパネル設置のおかげで大注目を浴びたのがフンボルトペンギンのグレープ君だった。
グレープ君が、日本のメディアに取り上げられるようになった理由は、設置したフルルのパネルからほとんど離れなかったためだ。
餌の時間もパネルから離れることがないことさえあったため、「二次元に恋した」ペンギンだと話題沸騰し「けものフレンズ」というアニメを流行らせる大きな要因になった。
フルルとグレープ君が人気になったおかげで、パネル設置のコラボが終了した後も、フルルのパネルは継続して設置されることとなり、ファンは大喜び。
だが、10月に入り、事態は急変する。
グレープ君、帰らぬペンギンに
もともと、グレープ君は21歳と、ペンギンとしては高齢の部類であったが、10月11日、体調不良のため療養。
翌日の10月12日に天国へ旅立った。
翌12日朝、遂に起き上がれなくなり、獣医さんにより点滴による治療が行われた。その後14時のオットセイショーに出演するため根本飼育員が「元気にしててね」と声をかけた時には首を上げるなど反応をしていたが、ショーが終わった後容態が急変し、獣医さんによる処置も行われたが、14時30分頃フルルに看取られ帰らぬペンギンとなった。
10月9日に秋のグレープ祭11月開催の緊急告知発表の矢先のことだった。(グレープ君祭りは別の形で開催予定)
by グレープ君とは (グレープクンとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
人気が出ていたペンギンだっただけに、その後、グレープ君を偲んで献花台とメッセージボードが設置され、ファンだけにとどまらず、アニメを制作した吉崎先生や、声優のサインで溢れかえっており、今に至る。
海外メディアに取り上げられるまでに
もともとメディアで取り上げられて有名になったペンギンの死ということもあって、グレープ君の死も同様に多数のメディアで取り上げられた。
だが、なんとそのニュースは海外まで広がり、ドイツ最大の週刊誌「stern」で以下のように報じた。
Wegen seiner Liebe zu einer Pappfigur wurde er berühmt, nun ist Pinguin Grape in Japan gestorben.
by In Pappfigur verliebter Pinguin in Japan gestorben | STERN.de
gestorbenは「死ぬ」の過去分詞形、ドイツ語はよくわからないが「フンボルトペンギンの日本のグレープ君、死ぬ」と書かれていそう。
アメリカやイタリアでも報じられているようで、ネットで「grape-kun」というワードを含めた記事が後を絶たない。
On Friday October 13th, Tobu Zoo in Saitama Japan announced via Twitter that “Grape-kun” the Humboldt penguin had passed away.
by The Life of Grape-kun – Best Mom Eva – Medium
意訳) 10/13(金)、埼玉の東武動物公園はTwitterでフンボルトペンギンのグレープ君が亡くなったことを報じた。
Japan’s anime-loving penguin Grape-kun passes away at Tobu Zoo
by Japan’s anime-loving penguin Grape-kun passes away at Tobu Zoo | SoraNews24
意訳) 東武動物公園にいる日本アニメ好きペンギン、グレープ君死ぬ
なぜここまで海外メディアにも取り上げられるぐらい大きな話題になったのか。
それは多分、けものフレンズというアニメの影響が直接関係しているのではなく、グレープ君というペンギンが、対象はどうであれ一途に思っているように見える、つい親近感が湧いてしまうようなキャラクターだったからだ。
youtubeなどに上がっている動画も、再生数が伸びやすいのは"らしくない"行動をする動物を撮った動画だ。
より人間らしい行動をする動物ほど、人間の興味をひくものだ。
だからこそグレープ君の死が本当に悲しく思える。
まとめ
何事も、ブレずに貫き通すっていうのはやっぱりかっこいいですよね。その気持ちの対象が何であってもです。
グレープ君のそういうところが魅力の一つだったのだと思います。
さて、フルルの声優を務めた築田行子さんが以下のようなコメントを書いていましたが、
フルルを好きになってくれて
— 築田行子*フルル (@ckik195) 2017年10月13日
けものフレンズを一緒に盛り上げてくれて本当にありがとう。
こんなに早くお別れが来てしまうとは思ってなかったので寂しい気持ちでいっぱいですが、天国に行ってもフルルのことを見守ってて欲しいなと思います。
グレープ君のご冥福を、心からお祈り申し上げます。
最後の「ご冥福をお祈りいたします」ってあまり動物には使わないような気がしていました。
ただ、こうやってグレープ君の記事を書いているうちに、どうも書かずにはいられなくなってしまいましたので、この言葉で締めさせていただきます。
ご冥福をお祈りいたします。